読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

開店休業

趣味の徒然うつらつら(2016年他ブログより移転)

メモリーズオフ6 ~T-wave~、レビュー。

 …………1stの衝撃からもう8年以上か。まさに光陰矢の如しだな。気が付いたら死の際で遺言とか言ってるんだろう。儚いものよ、人生なんて。

 さて、6ですね。KID倒産時はどうなる事かと思いましたが、なんとかシリーズも存続していけそうでなによりです。でも、メモオフってそんなにブランド力あるのかいな。新しく立ち上げたメーカーを牽引していける程の地力はないと思うんだけど……。確かにコンシューマーにしちゃ売れるけんどもさ。今回、声優陣も豪華だし、採算取れるの大丈夫?とか、無駄な心配をしてしまいます。
 まあ大丈夫か、KID商法なら。無駄な投資はしないってね。資源は最大利用、塵芥まで使い切る。いいんじゃないでしょうか。少なくとも僕は否定しません。

 
 さてさて、宮崎羽衣がすばらしい。マイフェイバリット声優になりました。カオスヘッドの七海は言わずもがな、そーいやナイトウィザードも地味に好きだったし、この人の声にはなにかある。a波ばりばり。癒される~。ほわわ~。結乃、抱きしめたいよぅ~。これです→結乃紹介ページ(サンプルボイス聞けます)

 クロエ先輩含め、生徒会組が良かった。けれど半面、メイン二人の破壊力に欠けた。どうもそう思ったのは僕だけでないようで。
 これはですね、おそらくもう「メモリーズオフ」っていうタイトルが足かせになってきちゃってるからなんですね。もうメモリーオフしなくていいんじゃないかな。オンしてこうよ。なんて思ったりしちゃったり。

 多分、今作は完成されてはいるんです。誰がやってもそこそこ面白いし、買って地雷を踏んだとは思わないと思います。ですが、新参ユーザーは満足できても、古参ユーザーは物足りなさを感じると思います。それはこの作品が過去シリーズの切り貼りに過ぎないからで、まるで今までのような冒険心を持たない、あんぱい(安全)な作品になってしまっているからです。良い意味でも悪い意味でも完成されている。メーカーがシリーズを生き残らせる為にこの道を選んだのだとしても、初代からのファンとしてはさみしい限りです。

 メモオフはシリーズ一貫してタイトル通りに「過去との決別」を主題としてやってきて、もちろん今回もそうだったのですが、もう正直今回の作品には何も切実な物を感じませんでした。ただ主題を継続したに過ぎないものになってしまっていました。
 それはこのメモリーズオフっていうタイトルに癖がありすぎるからで、このタイトルを冠にする限り「過去」を描かなければならないからです。そしてギャルゲーで過去を描く限り、ドラスティックでドラマティックなものにしなければならないという市場要請があり、2nd以降は奇跡的な産物である1stの主題を市場原理に則した形で継続させてきました。けれどまだそこには制作者の冒険心やら愛着やらがあったし、良くも悪くも他に類を見ない独特の危うさがありました。
 ただ、それにしたって5作も作れば過去との決別という素材の種類も底をついてきてしまうわけで、トラウマばかりを多用する事になってしまうのはある程度仕方ない事だとしても、今作に限って言えばそのトラウマ自体が過去作の焼き直しであり、しかも正直物語に大した影響も与えていなく(僕にはそう見えました)、あってもなくても同じような取って付けただけのようなものでしかなく、それならもういっその事主題を取っ払ってしまったほうがいいもの作れるし、制作者だってそれを望んでいるのじゃないかと思ってしまいました。足かせになっちゃってるよ。……あれ、涙が…………。

 売上の為にメモリーズオフっていう冠だけは残して、でも主題はもう継続しなくてもいいと思います。ドラクエやFFなんかだと、まだタイトルに「あそび」があるから自由にやれるのだけど、メモオフの場合は物語の根幹をタイトルにしているから、マンネリ化は制作者側に切実なものがない限り避けられないです。なら、もういいんじゃないかと。ファンは誰も気にしません。今作のように、器用に巧く商品を作れるのであれば、主題を外したってうまくやっていけるでしょう。
 僕は生徒会組のお話がとても好きです。こういう何気ない日常を共感を呼ぶ形で憧れとして描けるすばらしい素地がメモオフにはあるのだから、そっちに特化していく事だってできるだろうし、今のまま存続させていくのならそっちの方が個人的には惹かれます。
 といいますか、ファンのみんなも生徒会組をとても評価しているみたいですよ。ややもするとメイン二人よりも。やはり古参のみんなも感じているのだと思います。お腹いっぱいと。

 これぞ青春!っていうかさ、高校生活の甘酸っぱさを、そのまんまパックして「はいどうぞ」って差し出してくれたっていうかさ、素直に「ごちそうさまでしたっ」って言えるんだよね。普通の話を普通に語れる作品の貴重さ、僕は高校時代に未練たらたらなので、はぁー、夢物語だけど満たされましたー。

 あ、そーいえば今作に限って季節感をまるで感じなかったんだけど、それはどうなっているんだろう。今までは季節と共に紡がれる物語だったけれど、今作はそんな感覚は抱かなかった。秋だけど、あまり秋とは感じなかった。
 そう、季節っていうのもメモオフには大切な要素で、みなさんも「このタイトルだったらこの季節!」っていう強烈な印象があると思いますが、(1stなら秋、2ndなら夏など)ここにもマンネリ感を感じずにはいられませんでした。一週して秋で澄空に戻ってきちゃったから、やりにくかったのかな。落ち葉見とか、みなもの代名詞になっちゃってるからさすがに使い辛いだろうし。秋のさみしさとかせつなさとか死生観みたいな、そーいうのが1stではちゃんと作品のテーマと沿うように根幹として機能していたけれど、今作ではそこまで気を配っていなかったと思うし。やはり僕の中で1stは偉大だ。

 声優はちょー良かったす。最初に言ったけど宮崎羽衣とか、平野綾とか。あとクロエ先輩もいいんだけど、この声優さんちょっとクセがあるね。アドリブ的に一瞬「素」が覗いたりするところが所々あって、面白いんだけどフラットにキャラとして見れなくなっちゃう危惧もあって、狙ってやっているんだろうけど、まあ面白いからいいのか。なんのこっちゃ。

 とにかく、僕はメモオフに人生変えられちゃったのだし、これからも動向に注目していきたいと思いますが、今作はかなーり色々と限界を露呈しているものだったので、いちファンとしては危惧を抱かざるおえませんでした。けど、やはり僕はメモオフを愛しているし、全力で応援していきたいと思います。
 
 がんばれ、メモオフ!(そして願わくば1stの奇跡よ、再び)